甘い檻



5の11

「こ、これも……脱がすの?」
「当たり前だろ?」
パンツだけの姿で向き合う二人。
雅美はパンツに手を掛けて……
「……!」
パンツをぐっと下げようとする。
「いっ……痛てて!
 雅美、咬んでる、パンツが……」
「え゛……」
パンツのゴムひもが見事、ちんちんの根本に挟まってしまって。
「ひどいなあ、雅美……昔からこういうのガサツだから」
「なっ!? なによ! 昔からって……!
 だいたい、昔はこんなところで引っかかったりしなかったじゃない!」
昔って……いったいいつのことだろ?
「あのなぁ。男だってこういうところは大人になると変化するんだよ」
「こういうところだけ?」
「あのなぁ」
「ごめん。ちょっと緊張してた」
パンツを軽く引っ張って、ちんちんを避けてずり下ろしていく。
亀頭の先が空気に触れ、雅美の視線を感じて……少し圧迫感を感じる。
武者震いのような、微妙な緊張感。
「こんなに……なっちゃうんだ。男の子のここって……」
まじまじと見つめ、それに触れたそうに固唾をのむ。
手で、撫でてもらうのもいいかも知れないけど。
でも、そこはその意見に同調する余裕が無くて。
「雅美……僕は素っ裸になったんだから。今度は雅美の番」
「あっ……」
のしかかるように雅美を寝かせて、僕は雅美のパンティに手を掛ける。
自分で何度か着替えをしたから、なんとなく脱がせ方が解っていて。
迷うことなく、手のひらを尻の方に滑らせながら、
「ああっ、蒼太……っ」
震えるように浮き上がる尻の下をくぐらせて、
さっと抜き取る。
「なんか、蒼太だけうまいの、癪だな」
「しょうがないだろ、僕だけ……先に練習したんだから」
「そっか」
「そう。雅美が感じるところも……」
「え゛っ……ああっ!?」
自分でする時は見えなかったそこ。
だけど、今は目の前に、隠す物無くその全容をさらけ出していた。
雅美になっていた時と、蒼太である時と。
向きが逆で、少し解りにくいけど。
でも、雅美が感じる……
僕があのとき感じていた場所は、何となく解っていた。
そこを、雅美の反応を見ながら。
「なぁ、気持ちいいかな……」
ちゅくっ、
注意深く、その花心を指でなで上げていくと、
雅美の身体が大きく震える。
「ああ、なんでっ……!?」
その理由は精神衛生上秘匿するとして。
あのときの感覚をトレースするように、
あのとき僕が感じた感覚を雅美に味わわせるように。
そっと、そっと……
「(ううっ……しかし堪らないなぁ……)」
あのときの興奮を思い返すだけで、股間が痛くて堪らないのに。
目の前で、
「ああっ、蒼太……そんなにし、ないで……ああんっ!」
感覚に喘いでいる雅美を見ていると、それだけで射精してしまいそうになる。
「ねぇ、いいの? 蒼太……」
「え?」
潤んだ目で、僕を見つめる。
「したく……ないの? あたしばっかり……その……」
自分の感覚にいっぱいいっぱいのようでいて、
雅美はちゃんと僕のことを見ていたようだった。
もう、股間が勃起しきって、赤黒くなっているのを見て心配していたのだ。
「ごめん、僕も……気持ちよくなりたいよ」
「うん」
雅美が背中越しに手を絡めてくる。
僕は雅美に身体を重ねるようにして、
張りつめたちんちんを、手探りで雅美の股間に……
「ちゅっ、蒼太……いいよ、来て」
「ああ」
唇を重ねながら、亀頭を、雅美の茂みにあてがって。
その中心を探っていく。
「あんっ……もうちょっと下、だよ?」
「解ってるよ」
心配そうに告げる雅美の前で、
それでも落ち着き払っているかのようにゆっくり入り口を探る。
いや、本当は……すぐに入れたら、それこそ爆ぜてしまいそうで。
「じゃあ、行くよ?」
「うん」
「痛かったら……言えよな?」
「ううん。蹴る」
精一杯の強がりを聞き届けてから、膣口に。
「あ、でも……元に戻ったんだったら、処女じゃないのかな」
「な、何よ、それ?」
僕の冷静な分析に、雅美は抗議を申し立てる。
「もう、破れてるなら、痛くないんじゃない?」
「あのね。あたしは、初めてするの。
 怖いんだからね。そんな太いので……かき回されるなんて」
「か、かき回すって……」
でも、確かに。
もし事故で雅美の処女が失われていたとしても。
これは……初めての体験なのだ。
だから……丁寧に。ちゃんと、いたわって。
「ごめん。優しくするから」
「……うん」
あのとき、気持ちよかった場所に。
でも、それに使うにはあまりに太い亀頭をあてがって……
ぐっ。
「ん゛っ……!!」
突き込んだ衝撃が強すぎたのか、
雅美の腰を、胸を、前髪を揺らしたように見えた。
「んっ、あっ、ああっ……」
つながった部分が、熱くなるのを感じる。
そして、悲鳴を上げるように、きゅっと締め付けてくる。
「(……痛がってる?)」
さすがに処女膜を傷つけたかどうかまでは解らなかったけど……
雅美の表情は、おそらく演技でなく苦悶の様相を呈していた。
「ごめん、痛いか? 雅美……」
「う、うん……へ、平気」
眉間に皺を寄せたまま、気丈に応える雅美が愛しくて、
「ほら、顔を上げて……ちゅっ」
「んっ、蒼太ぁっ……ちゅむっ……」
つながったまま、雅美と何度もキスをした。

5の12

「ねぇ、動いて……いいんだよ? 蒼太」
「もう、痛くないのか?」
まだ、痛みが残るのは見ていて解るけど、でもそう聞いてしまう。
「うん、だって……苦しいでしょ? じっとしてると」
「でも、雅美が辛そうにしてるの……見てる方が苦しいよ」
「ふふっ……ば~か。そんなこと言ったって、何も出ないんだから」
気を遣われるとくすぐったいのが解って……
少し悩んだけど。
でも、ゆっくり動いてみることにした。
ずっ……ずずっ……
「んっ……」
「痛い……かな?」
膣の強い締め付けが、まだこらえている感じを物語る。
だけど、その分、僕の亀頭には……
過ぎた刺激が、脳髄をとろかせるような快楽が感じられてるわけで。
「うん、少……ああっ、ちょっ……」
ぱんっ!
堪えようとすると、その分、反射的に腰が跳ねて、強く突き込んでしまう。
なのに、その強い動きが、余計快感を生んでしまって。
「蒼太っ……ああ、蒼太っ、痛っ……」
「雅美っ……ううっ!!」
気遣わないといけないはずの僕は、もうすでに我を忘れて。
ちんちんが爆発しそうな快感を感じて。
これまで感じたことのない快感に戦慄しながら、
でもそんなこともどうでもよくなって。
「ああ、出る……出るよ、雅美っ!!」
「蒼太っ!!」
雅美の指が、その爪が背中に痛みを与えるのを感じながら……
僕は腰を雅美の腰に密着させたまま。
陰毛と陰毛がからみつくくらい深くつながったまま。
その奥底で、熱い精液を、はき出していた。

「はぁ、はぁ……」
「もう、ひどいな。蒼太は」
精液を吐き終えたちんちんを抜き取りながら、それでも脱力感を感じて、
雅美に体重を掛けないように崩れ落ちる。
「がむしゃらになって……止まらないんだもん。
 壊されるかと思ったじゃない」
「ごめん。気持ちよくて……思考が止まってた」
「そんなに、気持ちいいの? 男の子って」
「ああ……そうだな……」
そう言われて、つい雅美の時に感じた快感と比較してしまう。
確かに、雅美の時に感じた快感は……
その時は、女ってずいぶん気持ちいい体験をするんだと思ったけど。
「気持ちいいって言うか、その……」
「ん? なぁに?」
のぞき込むような雅美の視線がくすぐったい。
「雅美と一緒になれたのがうれしくって、夢中になってた」
それを聞いて、雅美も真っ赤になって。
「そう。よかった……蒼太が、そう思ってくれて」
その目から、涙がこぼれた。
「雅美……」
「あ、あはは……なんでだろ? ちょっと、目がしみて……」
「痛かった?」
さすがに、僕の発言はデリカシーがなさ過ぎたわけで。
ぼかっ!
「あのね。水さすようなこと言わないでよ」
「ごめん。でも……僕だけ気持ちよくなってただろ?」
その涙を舐めながら。
「あっ……」
そして、僕の股間は精をはき出したにもかかわらず、
まだ上を向いたままで。
「だからさ、今度は……雅美にも、気持ちよくなって欲しいんだ」
雅美が『痛い』思いをした分、その埋め合わせをして上げたかった。

5の13

「まだ、痛いかな?」
「ううん、少し違和感はあるけど……」
指でその付近を撫でると、
容赦なくはき出した僕の白い液と、雅美の気持ちいい透明な液体、
そして、わずかな赤い血が混じっていた。
「そっか、やっぱり……まだだったんだ」
「だから、言ったじゃない」
「でも、だったら……どうして解けたんだろう?」
どことなく満たされた気分になりながら、
それでも腑に落ちなかった。
魔法陣の契約は、『処女の血』で成立する。
でも、今まで雅美は処女だったのに。
「それは……蒼太が、そう思ってくれたからじゃない?」
「え?」
だけど、雅美は何ら不思議じゃないという顔で。
「蒼太が、あたしを襲うぞ~って思ってくれたから。
 だから、あたしは、その瞬間に処女じゃなくなったんだよ」
「え~? それってあまりに先物取引的なんじゃ?」
今日、ここにこうして来れたのだって……
もしかすると妨害があったかも知れないのに。
「ううん、それでいいの。
 魔法陣の契約なんて、もうどうでもいいことだし。
 蒼太が、そう思ってくれたことの方が、
 あたしには大事なことなんだから」
「そっか」
雅美が大事なことと言ってくれたこと。
その証が……そこには残されていた。
だから、周りをいたわるように。
心の中で痛みが消えるように念じながら。
「でも、気持ちいいよ。蒼太の指」
「そう?」
乳房に舌を這わせながら、雅美のけだるい声を聞く。
「自分でする時よりね、とっても感じる」
「そんなに、感じるんだ」
ちょっと羨ましい。
でも、そんな雅美をもっと感じさせたくて。
乳首を軽く咬みながら、
その反応に注意したまま、指をそっとその中に沈めていく。
「んっ……ああっ……」
さっきより、過敏に反応して、指をきゅっと締め付けてくる。
その感触に、股間がぐっと元気になるのを感じる。
だけど、それをおくびにも出さずに。
ゆっくり、差し入れた指を前後させながら、
雅美に奉仕することに専念する。
「雅美の胸って……こんな大きかったんだな」
「え、何よ? ゆりねの方が大きいじゃない」
すねたような声を上げるけど、それは的を射てない反論だった。
「違うよ。
 雅美になってた時もびっくりしたけど、
 雅美の胸って、脱がせると……こんなに存在感あるから」
乳房の表面を吸いながら。
「ああっ、もう……そんなにおだてたって、んっ……」
そう言いながら、うれしいのか感じるのか、身体がびくびく震える。
もしかして……
「雅美、もしかして感じてきてる? 下の方……」
「なっ……そんなことっ!」
雅美は否定したけど、でも……
指を拒否するように締め付けていた感覚は、もうだいぶ柔らかくなっていて。
「(今だったら、入れても……平気かな?)」
と考えてると。
「はは~ん。蒼太、シたくてしょうがないんでしょ?」
「えっ!?」
どうやら、冷静なのは雅美の方だったようだ。
「いいよ。まだ……痛いかも知れないけど。
 でも、決めてたから。
 蒼太に気持ち、打ち明けた時は……
 今までの分、たくさん愛してもらおうって」
「……」
胸が詰まって、僕は無意識に雅美に腰を重ねていた。
「うん、来て。深く……また、深くつながろう?」
ぬらり、と亀頭に生じた感触はさっきよりも柔らかくて。
だから遠慮もなく、僕は雅美の体温を求めて、ぐっと、深く突き入れた。

5の14

「はぁ、はぁ……」
雅美を深く貫いて、僕はようやく我に返った。
僕のちんちんは根本まで温かく包まれて……
そして。
「もう、せっかちなんだから」
そう悪態を吐く雅美は、さっきよりも苦しくない表情で、
そして……少し潤んでいた。
「(そっか……少しは感じてくれてるのかな?)」
指じゃなくて、ちんちんだけど。
でも、きっと感じる場所は同じなわけで。
丁寧にすれば、雅美ももう少し気持ちよくなるかも知れない。
「行くよ、雅美」
「う、うん……」
亀頭に感じる快楽に負けないように、自分に喝を入れてから。
雅美の内側を、愛撫するイメージで、ゆっくり陰茎を抜き差しする。
「はぁ……蒼太ぁ……」
「感じる? 気持ちいいかな?」
「んっ……少し痛い、かな?」
そう言われて、少し萎えそうになる。
でも、しょうがない。まだ……さっき処女を失ったばかりなのだ。
「(落ち着いて、ゆっくりまったり、丁寧に)」
心の中にそんなスローガンを掲げて。
まるで、内壁を味わい尽くすようにゆっくりを抽送する。
「(ああ、こんなになってるんだ、雅美の中って)」
ゆっくり動くと解る、その複雑なアンジュレーション。
その細かなうねりが、丁寧に丁寧に、僕の敏感な部分、
亀頭や、仮首のくぼんだ部分、裏スジを
丁重に愛撫するように舐め上げていく。
「ふぅ、ふぅっ……」
そのじれったい快楽に耐えて、ゆっくりと動くのは凄い重労働だった。
でも……
「ねぇ、蒼太? ゆっくり動くの……辛いでしょ?」
「そんなこと無いって。ほら……」
「んっ……」
ちゅっ。
キスをしたまま……ゆっくりを腰を揺らす。
「んっ……はぁ、ああっ……蒼太っ、んっ……ちゅっ……」
キスの合間に、空気を求めて喘ぐ雅美の声が、
だんだん甘い物になっていく。
「(暖かい……ううん、熱いな……)」
接合部から感じる雅美の体温が熱くなっていく。
それは、さっきの強い摩擦に悲鳴を上げるような体温じゃなくて。
どきどき……と鼓動を感じるような、高揚したような熱さ。
「ねぇ、して……もっと、ねえ、蒼太ぁっ……」
甘い声に、理性が飛びそうになりながら、それでもゆっくり腰を振る。
もう、とろけるような快感を感じて。
でも射精感に届かないそれが、どうにももどかしくて。
「(ゆっくり、ゆっくり……)」
すこし、焼け付きそうな快楽を冷ましたくて、
大きめにストライドをとると。
「んっ……あああっ!!」
急に雅美が声を上げて、膣が……
僕の陰茎を包み込んでいた膣壁がきゅっと締まる。
「う、うあっ……で、出るっ……!!」
「蒼太っ……来てっ!!」
さっきは夢中で中に出しちゃったけど、
でも、今度は外に……と思ったのに。
だけど、脊髄を駆け上がる快楽に、膝ががくがく揺れて。
「(あ……突き入れたい……)」
黒い本能がささやく甘い声に逆らえずに。
ぐっと深くつながって。
どくんっ!!
「あんっ……」
僕が精をはき出すたびに、漏れる甘いあえぎを聞きながら。
結局一回目とほとんど変わらない量の精液を、
雅美の奥深くに注ぎ込んでいた。

5の15

「ごめん、雅美……」
「ん? どうしたの?」
射精感に脱力した身体を持ち上げて、僕は謝罪の言葉を探した。
少し身体を起こすと、
力をなくした陰茎が雅美の膣圧に負けてはき出される。
そこから、白い液体がこぷ、とこぼれ落ちる。
そこを指ですくい上げるように。
「こんなに出しちゃって……避妊もしてないのにな」
「あ、それなら……今日はたぶん大丈夫だよ?」
雅美は落ち着いた表情で。
「一応安全な日だし。それに……それにね」
僕をまっすぐ見つめたまま、真剣な表情で。
「蒼太となら、何があっても……後悔しないから」
「そっか……」
凄くうれしい気持ち半分。
でも、ちょっと照れてしまって。
気持ちをはぐらかすように、雅美の、蹂躙してしまった場所を指で撫でる。
「ああんっ……あんまり触らないで、蒼太」
「どうして?」
「その、敏感に……なってるから」
その時、自分がイく前に……雅美にも反応があったのを思い出した。
「(そっか……指と違って、ちんちんの時は浅い感じなのかな?)」
「……どうしたの?」
「なぁ、雅美……もう少しでイけそう?」
「えっ?」
これでも、僕だって自分だけ二回もイって、少しは罪悪感を感じているのだ。
と言うより、プライドがなくなるというか。
「ななな、何言ってるのよ。
 初めてで……そんなに簡単に感じないんだから」
その言葉で確信を感じて、そして無視して。
「えっ……あんっ!」
温かな汁をこぼしているその内側に指を滑り込ませる。
ずちゅっ……
白い液で汚されたそこは、そのせいで滑りが悪くなってしまったけど。
「この辺かな……ほら、どう?」
「んっ、んっ……ちがっ、そんなんじゃない、からっ!」
「そっか、じゃあ……」
言葉尻を合わせて、でも無視してそこを執拗に責める。
「んあっ、あん! 違うの、だから……」
「だから、続けるね」
「はぁ、はぁ……お願い……」
その雅美の嘆願は胸を打つ物があったけど……
それと同時に、その色っぽさがどうしようもなく堪らなくて。
堪らなく、その先を見たくて。
ぎゅっ……
内側と、外側のクリトリスを同時につねるように……
「ああっ……あんっ! あああああああっ!!」
それは、きっと風呂場の再現なのだろう。
激しい嬌声に焦って、口を塞いだけど。
それも醒めることなく……雅美は脚を震わせながら。
「ああっ、蒼太ぁああっ!!」
僕にしがみつくようにしたまま、僕の腕の中で達していた。


(つづく)
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