絶倫少年(仮)・幕間4


「女王陛下は、リアンナ様はまだ戻られぬか?」
「はっ……」
城内では大騒ぎになっていた。
昨晩、皇后リアンナが失踪してから、未だに消息がつかめないのだ。
「街に、捜索のための兵を出しましょうか? まだ、遠くへはお出になってないはず……」
「いや、今は……騒ぎにはしたくない」
街では、国王が失踪したという噂が漏れ始めていた。
その国王が見つかったとはいえ……自らが国政を執れる状態ではないのだ。
ここでさらに騒ぎが起これば、国家体制に不安があると思われてしまう。
「……私が、捜索に行こう」
「しかし……」
「出来る限り少人数で行きたい。それに、万一、女王陛下が囚われている可能性もある」
「それなら、精鋭の兵に……」
「いや、国王と、この城の警備も手薄にするわけにはいかない」
彼女が向かった先は、事前に把握している。
そして、今……何が起こっているかも、ビアンカはうすうす察知していた。
だから、精鋭の……屈強な男の兵士を向かわせるわけにはいかない。
この役目は……普通に考えれば、自分こそがうってつけのはずだった。
「城のことは頼む、ジュナ。私は……必ずリアンナ様を連れ帰る」
「ビアンカ……頼みます。皇后陛下を」
若き宰相ジュナに城のことを託し、
ビアンカは単独、リアンナの捜索に向かった。

「困ったなぁ……」
買い出しでため込んだ、新鮮な食材で、ヒューイは料理に腕をふるったわけだが……
サラダのトッピングに困ってしまった。
「いきなりはないよな……」
ユリア、ファナ、リリス、リアンナ、そして自分の分を用意したサラダ。
そのうち3つには、白いどろっとしたドレッシングがかかっている。
フレンチドレッシングではない。
言うまでもなく……ヒューイ特製の暖かなドレッシングである。
しかし、それをリアンナのものに掛けるのは……さすがに気が引ける。
悦ぶ、悦ばない以前の問題である。
それは、町人風情の作った料理をお出しする時点で失礼千万だが、
それにしたって、それなりの努力をするわけで。
「やっぱり……これだけは、この一線だけは……」
他の女の子にはやすやすとその線を越えてる時点で、
彼はすでに人間をやめていると言えなく無いのだが……
やはり躊躇して、リアンナと自分のには普通のドレッシングを掛けた。

「食事だよ……みんな」
特製ドレッシングを使うようになってからは、
そんなに苦労しなくても、みんな素直に食事を摂るようになった。
前は本当に大変だった。
口移し、行為中の食事……
ろくに自分の食事を愉しむ余裕はなかったのだが、
ドレッシングを変えてからは、それを目当てに、みんな食事に勤(いそ)しむようになった。
例外はリリスで……
彼女はそもそも、食事を普通に摂るくらいの理性は残っているはずなのに。
「あたしだけ、メニュー変えるのは差別だよねω」
と、ヒューイの反応を楽しみながら……いわば逆恥辱プレイばりに愉しんでいるのだ。

「……ヒューイ」
しかし、リアンナはサラダを前にして、口ごもる。
「どうしたんですか、リアンナ」
「どうして、どうして私だけ……」
すると、急に大粒の涙をこぼし始める。
「えっ……!?」
「私だけ、どうして……こんな味気ないサラダなのですかっ!?
 ヒューイは、私を……邪魔だと、邪険にしているのですかっ!?」
顔をくしゃくしゃにして、皆の前であることも憚(はばか)らず。
裸のまま、まるで子供のように泣きじゃくる。
「え、あ……あの……」
あの美貌を誇るリアンナが、そんな泣き方をしてしまっては……
ヒューイとしては本当にいたたまれない。
皆の視線を感じながら、ただ、あわてて……おろおろするばかりだ。
「あーあ、泣かせちゃったω」
リリスが楽しそうに嗤う。
「私だけ、冷たい……味気ないドレッシング……」
「えっ……」
「私も、ヒューイの、熱くて濃いドレッシング欲しいのに……っ!!」
「……」
欲しい、と言われても、ドレッシングのように混ぜて掛ける……というわけに行かないのだ。

「ヒューイ、女王陛下は、そちの熱い、新鮮なドレッシングを所望だぞω」
「り、リリス……おまえなぁ……」
「いいの、ほっといて?」
リアンナ本人はともかく、
食事に夢中だったユリアもファナも、ヒューイを怪訝に見つめている。
「わ、わかったよ! 掛ければいいんだろ!!」
ヒューイは、せっかく萎えさせていた自分のペニスを取り出し、
一生懸命勃起させ、オナニーを開始する。
「うふ、私だけ、新鮮な……わくわくω」
「うう、そんな見ないでください、リアンナ」
「ねえ、リアンナ。手伝ってあげなくていいの?」
「ん~、そうね。ちょっとだけω」
どうやら、口にしないで掛けさせたい、と言うことらしい。
リアンナはいつものどん欲さはなく、ヒューイがこする陰茎を、
その亀頭の部分をちろ、ちろと舐めて、射精感を少しだけ手伝う。
「あ、うう……でる、出ますよ、リアンナ」
「はい、掛けてくださいな、いっぱいω」
自分の顔や胸ではなく、サラダボウルを持ってにんまりと微笑む。
「(うっ、あ……リアンナ、ずるいよな……)」
こういう時には、少女のような可憐な表情を見せる。
女の狡猾さを少し感じながら、ヒューイは精液を、リアンナのサラダに、いっぱい掛けた。

「ふふっ、おいしい! ヒューイの特製ドレッシング、のどごしも最高よω」
「いーなー、リアンナだけ出来たてで」
もう食べ終えていたユリアがのぞき込んでよだれを零す。
「ユリア……してるときに、いっぱい飲んでるじゃないか」
「ヒューイ、それとこれは違うの」
そういうものだろうか……?
「もしかして、食べる前に、みんなに掛けて回る方がいいの?」
「あっ、それ……いいですっ!」
ファナが即答する。
「(あー、そうするか、今度から……)」
自分たちの異常性をまだ自覚したまま、
でも、ヒューイは彼女たちの悦ぶ注文は断り切れないのだった。

(続く)
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