絶倫少年(仮)・6


「次の方……」
教会の礼拝堂に置かれた懺悔室には、切れ目無く信者が訪れていたが……
ようやく人気が途絶えた様だった。
「ん……やっと終わったかしら?」
外をうかがうと、月がもう高いところまで昇っていた。
もう深夜近い。
「政情不安になると……神父もシスターも疲れる、と」
少しのびをして、懺悔室を出ようとすると……
カツカツ……
「あら、まだ……来たのかしら?」
時計を見ると、もう……予定の時間を過ぎている。
「これで、最後にしましょうか」

「それで、あなたは……何を懺悔に来たのかしら?」
どうやら、雰囲気から……ついたての向こうに来たのは少年のようだった。
シスターシエスタは、優しい声で問いかける。
「はい、僕は……信者じゃないんですけど、いいんですか?」
弱々しい声で、そう聞いてくる。
「ええ。神は……救いを求める手を、拒むことはありませんよ?」
「そうですか……」
ほっとしたような、落胆したような。
「(そんな……深い罪なのかしら?)」
窃盗でも犯したというのだろうか?
それとも殺人を……?
でも、そうした罪人特有の、刹那的なものを感じなかった。
「ほら、気を楽にして。なんでもおっしゃいなさいな?」
「はい……その……」
少年は口ごもる。
シエスタは、それを急かすことなく。
不安にならないように少しだけ息を立てて。
告白を待った。
「僕は……その……女の子の人生を、狂わせてしまったんです」
「人生を……?」
きわめて抽象的な発言に……言ったことを理解できなかった。
「それも、5人も」
「人生を狂わせるって……どんな?」
「その……してしまって」
「した……?」
「セックス……です」
シエスタは吐息を漏らした。
年端のいかない少年が、複数の女性と……というのは珍しいが、それでも聞かない話ではなかった。
「姦淫ですか……」
「かん……いん?」
「えっと、浮気とか、不倫とか、そう言う類の行いですよ」
「浮気……か。だったら、まだ軽い罪なんだと思います」
「えっ……?」
浮気や不倫、というのは……決して教会では軽い罪として扱われていない。
しかし、セックスによる、姦淫以上に重い罪なる行いがあるというのだろうか?
「彼女たちは、狂ってしまったんです」
「狂う……? セックスに溺れてしまったのですか?」
「はい」
「それで、家庭を顧みなくなったと……?」
「いえ。そんなレベルじゃなくて、その……」
少年は声を詰まらせる。
「そんな……って」
「僕から、離れられなくなってしまっているんです」
シエスタには、にわかにその状況が把握できなかった。
「みんな、四六時中、僕の身体を求めるようになってしまって……
 家族とか、友人とか、大事な人とか……そんなレベルじゃなくて、
 それこそ、『すべて』を擲(なげう)って、行為に耽るようになってしまったんです」
「……」
「だから、もう……日常生活なんて出来ないんです。彼女たちも……僕も」
「そ、そんな……」
にわかに信じられない。
そんなことが……果たしてあるのだろうか?
「だから、街を出ようと思うんです。だけど、それで……生きていけるのか……」
「ちょ、ちょっと……」
話が……シエスタの理解を超えて、明後日に飛んで行く。
しかし、彼は相当思い詰めているらしく。
「あの人たちをかくまったまま、街を離れて生活できるなんて……とても……」
少年は泣き出していた。

(私は……いったい、どうすれば……)
少年は……きっと、おそらく、かなり若いはず。
そして、話しぶりから……相手の女性は、決して若くない人たちの様に思えた。
果たして、こんな少年に、大人の女性を狂わせるほどの魔性があるのか。
そして。
物心ついたときから、教会で、
その生活すべてを信仰に捧げてきた彼女に、彼を救うことは出来るのか。
(……)
しかし、この教会に、懺悔室に来た人間の罪を、今まで一度たりとも赦せなかったことはない。
彼らの悩みを、解放出来なかったことはないのだ。
(……私には、神が……ついている……)
彼女は、心の内にある衝動のまま、
行動する決意をした。

「ねえ」
「……!!」
本当は断りもなく懺悔する人の部屋を覗くのは言語道断であったが……
シエスタは、少年の背後に立っていた。
「大丈夫よ。私が見てあげる。こっちに……いらっしゃい……」
「え?」
少年は怯えるようにシスターを見上げる。
「あなたに、悪魔が取り憑いているのかもしれない。こっちで、見てあげる」
シエスタには、ある目算があった。
「(もしかすると……流行病なのかも)」
この時代にも、性病と言われる物は存在し、
それを苦に懺悔室に現れる者もいた。
その時には、聖水を使うのだ。
聖水、と言っても硝酸銀ではない。
この教会で言う『聖水』は、万能の治療薬のような物であった。
その液体を用いれば、疫病の病原体を灼くことが出来る、と言われていた。
「出して」
「なにを?」
「あなたの、下半身を……です」
少年は躊躇する。
「ダメですか……やっぱり、出さないと」
少年は警戒するように、シエスタをのぞき込む。
「怖がらないで。何も取って喰う訳じゃないの。
 聖水で……あなたの中の悪魔を追い出してあげる」
聖水を満たした杯を、掲げてみせる。
その金属の杯は、ステンドグラスから差す月明かりに輝き、神秘的な光をたたえる。
「……」
少年が見とれているうちに、シエスタは、片手で少年のズボンを下ろす。
「あっ……」
「ほら、出して」
少年を寝かせるようにして、その股間に。
まだ屹立していない股間に、液体を零していく。
とぷ……とぷとぷとぷ……
「うっ、ああっ……うああああああっ!!」
液体がペニスに注がれ、その刺激にぴくり、と反応する。
「染みるかもしれないけど、我慢して。悪魔の……断末魔だから」
普通の性病なら、それで治るはずだった。
普通の性病なら。

「はぁ、はぁ……」
少年は顎を上げたまま、ずっと喘いでいた。
ペニスはもうすっかり天を仰ぎ、
罰当たりにも、礼拝堂の真ん中で、月明かりに照らされて、煌々と輝いていた。
「どう、治ったかしら?」
「さあ……たぶん、効果無いんじゃないかと……」
「そう」
少年にすれば、薬で治る症状でないことは明白だった。
しかし、シエスタは勘違いしていた。
「だったら、すり込まないと……ダメかしら、ね」
「えっ……」
薬は、皮膚に触れると刺激がある。
要するにちょっと染みるわけだが、シエスタは覚悟を決めて。
腕をまくると、指で、患部に聖水を塗り込める作業を始めた。
しゅっ、しゅっ……
「うあっ、し、シスターっ!! やめて、それじゃ……ただの……」
「静かになさい。神聖な神の御前ですよ?」
「それだったら、なおさらっ!!」
「これは、神聖な治癒行為ですっ」
毅然としたシスターの態度に、少年は抵抗できない。
いや、その前に……神聖な治癒の前に、顎があがり、息が弾む。
「だめ、出ちゃう……出ちゃいます、これじゃっ!!」
「きっと、それが膿みです。吐き出してしまいなさい」
「そうじゃなくてっ!! あうっ……」
容赦ないシエスタの指の動きと、聖水の刺激が、少年のペニスを追い詰め……
どぶっ……!!
神聖な礼拝堂の中心で、
神聖なシスターのドレスに、
ヒューイは、大量の精液をはき出していた。

「う、ああああっ……」
宗教の信者ではない、とはいえ……ヒューイも、教会の中で射精するのが
罰当たりなくらいの感覚を持ち合わせているわけであり、
さすがに嗚咽を漏らさずにはいられなかった。
「こ、これは……」
自分にかかった、白い、熱い液に、シエスタは顔をしかめる。
「すごい、毒々しい臭い……」
男性経験のない、シスターであるシエスタにとっては、
精液のにおいは初体験であった。
「これで……治ったのかしら……?」
手で、『膿み』を、ずるずる……と扱きだしていく。
しかし、ヒューイの患部は、まだ治まる様子を見せなかった。
「この程度じゃ……さすがに……」
毎晩、5人からの猛攻を受けて、最後まで萎えないペニスである。
手で1度、2度『膿み』を出した程度では萎えようはずが無い。
「……そうですね。もっと……膿を絞り出さないと……」
シエスタは、口を開き……ヒューイの患部へと、顔を近づける。
「えっ……ちょ、ま、待ってくださいっ……シスターっ!?」
「慌てないで。神の加護があれば……
 たとえ、膿が無尽蔵にあろうとも、きっと救って見せます!」
その薬品は、口にして害がないのだろうか?
そんな心配も、そして……さらに罰当たりじゃないのか?と心配するヒューイも眼中になく、
シエスタは、白いしずくをまだこぼす患部を、口に含んだ。

「んっ、むっ……ぷは、苦い……ですね、さすがに聖水は……」
「だから、無理はしない方が……」
「いいえ。良薬は、口には苦い物ですよ?」
かなり口の中はえぐいはずなのだが、
シエスタはほほえみを崩さず……患部を柔らかく、口に含む。
「ちゅっ、ちゅる……ちゅぱっ……ああ、
 悪魔の心音が、どくん、どくん……と脈打つのが感じられますね。
 こんなに熱い……」
シエスタは、この期に及んでまだ、これが神聖な治療の儀式だと思っているのだろう。
熱心に、根元を見つめたまま、一心不乱に患部を舐め上げる。
しかし……
「ああ……ゆ、赦してください……神よ……」
ヒューイにとっては、天界を描いたステンドグラスの下、
処女性を義務づけられたシスターに、
十字架の下で、
自分の尤も卑しい患部を口に含ませるなど……背徳感で得られる快楽を振り切って、
一週巡って、心が痛みに、きしみを上げるようだった。
「くちゅっ……出(ら)しなさい? 熱(あふ)い膿が、こ(ろ)み上げてく(ふ)るのでしょう?
 さあ……
 私(わらし)の口(くひ)の中(なふぁ)に……」
決して技術的にうまいとは言えない……
それこそ、一番拙(つたな)いユリアよりも、お世辞にもうまいとは言えない治療行為(フェラ)だったが……
それでも、意志を離れて、快楽におぼれたペニスは……
ふぐりがせり上がり、神聖なシスターを穢したいと、ぐつぐつと熱い膿を蓄える。
「ああ、だめ……そんなにしたら……ああ、シスターを穢したら……」
「いいんです(れふ)よ? 出(ら)して? いくらで(れ)も……受け(へ)入れます(ふ)から……」
尿道をつるり、と撫で上げるように舌が動くと、
辛抱たまらずに……
「ああっ!! 出るっ……ご、ごめんなさいぃぃっ……!!」
目を閉じ、手を合わせ、神に許しを請いながら……
ヒューイは、シエスタの喉奥に、熱い膿を思うままぶちまけてしまった。

「んふーっ!? んっ、んぐっ……!!」
患部は、膿をはき出す瞬間……膨らみ、シエスタの口腔内で引っかかってしまった。
シエスタも、大量に放出される膿を吐き出すつもりだったのだが……
これでは、吸いながら、吐き出すことは困難だろう。
(ど、どうすれば……!?)
パニックに陥りながら、それでも聡明なシエスタは冷静に判断する。
悪魔の『膿み』を飲み込んで……果たして大丈夫なのか?
しかし……
(救いを求める者には……あらん限りの救いの手を、差し伸べるべき、でしょう……?)
そう。これは……悪魔の試練なのだ。
悪魔に害された人間を救うのに、
悪魔に触れることを恐れるようでは、救いは得られない。
(大丈夫、私には……神の加護がある……!)
天を仰ぎ、女神の美しい姿を目に焼き付け。
シエスタは、口に広がった熱い膿を……
一気に飲み込んだ。
「んぐっ、んっ……んっ!! んふっ……」
「うわ、ちょ……し、シスター……!?」
まさか、それをすべて飲み尽くすとは思いもよらず……ヒューイは驚きの声を上げる。
しかし、シエスタの飲み干す喉の動きは、ヒューイの患部の……
柔らかい、敏感な部分を優しく刺激して、膿をもっと出せと促してくる。
「ああ……だめ、気持ちいい……ああ、こんな……場所でっ……うああっ……」
ステンドグラスに描かれた、裸の、
でも、神々しい女神像が、ヒューイを恨めしそうに見つめている。
もし、彼女に……命が宿っていれば、
おそらく一瞬のうちに、その厳粛な視線で、殺されてしまうだろう。
「んぐっ、ごくっ……んふ、もっと(ほ)……んぐっ……」
それでも、シエスタは……やや、当初の目的を見失ったかのように、
一心不乱に飲み干していく。
「はぁ、はぁ……ああっ……」
「んぐっ……くっ、ぷはっ……た、たくさん……出ましたね……」
必死に神に許しを請うヒューイと、
白い唾液を少しこぼしながら、うつむいたまま、息をつくシエスタ。
もう、どちらが敬虔な信者なのか解らない有様だった。

それから……まだ腫れの治まらない患部を、
シエスタは、無心に、ひたすら、ひたすら、吸い続けた。
しんと静まりかえる真夜中の教会の聖堂に、
卑猥な粘っこい水音が、静かに反響し続けた。
そのやまない快楽に、罪悪感に、ヒューイは音を上げるように喘ぎ、
時として、それは、熱い膿をはき出したが……
その腫れが引くことは無かった。
が……
「はぁ、はぁ……シスター、もう……やめましょう。あなたも、僕も……もう限界です……」
「いいえ、でも……」
シエスタは、もう何度となく膿を飲み干し……
腹がだぼだぼに、いや……それこそ何か孕んだ気分にすらなりそうだったが、
それでも、治療をやめるつもりはなかった。
しかし、もう……顎が疲れるくらいに吸い上げても……なかなか膿が出てこなくなってしまった。
患部の腫れはそのまま。
「これは……もう、膿は出きって……完治、したのでしょうか……?」
ヒューイは、自分の疲れと、彼女の刺激が慢性化してしまって、
射精するのに快楽が足りないのだ……と解ってはいたものの……
この拷問のような行為を終えたくて。
「ええ、もう……大丈夫ですよ。すっきりしましたから」
「でも、大丈夫ですか? もう……女性を襲いたく……なりませんか?」
「ええ! きっと、これで……僕も、彼女たちも……救われます……!」
ヒューイは、必死に訴える。
しかし……シエスタは、その言葉に誠意が足りないことを感じていた。
というよりも……
(私の心の中が……訴えてる……もっと、彼の事を、親身に診てやれ、と……)
彼女の中の感情が、普段は神の信仰が起こす衝動が、
いつの間にか、さんざん味わったヒューイの精液のにおいによって、
獣の野生に感化されつつあることも気づかず、
彼女は……その衝動に従う選択をした。

「それなら……それを、ちゃんと確認しましょう」
「え? ま、まさか……」
シスタードレスをまとったまま、シエスタはヒューイの上にまたがる。
「この熱い感覚……これは、きっと神のお導きです。
 私の、この感覚を持って、
 あなたの完治を試せ、と仰せなのでしょう」
天井を仰ぎ、まるで陶酔したかのように、そんな言葉を並べたてる。
冷静になれば、ヒューイにとって『いつものこと』なのだが、
それを指摘するには、あまりに神々しすぎて?
口を挟む余地がない。
「では、いざ……確かめん」
「ちょ、ちょっと……シスター!?
 こ、こんな場所で、そんなことはっ!?」
「これは、神のお導きです」
「でも、たしか、聖書には……『汝、姦淫するべからず』とあったはずです!」
「これは、姦淫ではありません。
 私は、賎(いや)しい心に操られることなどありません」
「だけど、これでは!
 僕は、こんな事をしたくないから、懺悔しに来たのにっ!!」
「大丈夫です。
 あなたが完治したなら……私を貫こうとも、
 あの悪魔の、白い膿が、私を穢すこともないでしょう」
彼女の言葉が、虚実となることも知らずに。
シエスタは、ドレスをそのままに、その中へとヒューイの物を導いていく。
「だめだ、シスターっ!! ああっ……」

天を仰ぐと、そのステンドグラスに、女神の神々しい姿が大きく映し出されていた。
「(こんな、こんな場所で、こんな罰当たりなことをっ……!!)」
いくらヒューイが信者ではないとはいえ、こんな事がばれたら磔にされてしまうだろう。
いや、すでにもう何度首を落とされてもおかしくない罪を犯しているとはいえ、
すでにさんざん卑猥な行為に耽っていたとはいえ、
更にこんな深い罪を負わされてしまうとは……
ヒューイの熱い先端に、熱を持った液体が触れる。
そして、
くちっ……
「んっ、神のお導きは……なんて甘美なのでしょう?」
それが肉欲とも知らず、
そして、その後訪れる天誅を知らず。
その愚かなシスターは、『導き』のまま、腰を落としていく。
「んっ、ああ……あぐっ!!」
ぶちっ!!
そんな音が聞こえた気がした。
シエスタは、苦悶の表情に変化し、支えを求めて、ヒューイの手を探す。
「あぐっ、おお、神よ……なぜ、こんな苦しみを? 何故、こんな試練を?」
そう訴えながら、決して腰を逃がしたりしない。
やがて、腰は完全に沈み、力なくヒューイにもたれかかる。
「はぁ、はぁ……あなたは、大丈夫なのですか?」
「大丈夫というか、気持ちいい……んだけど」
「それは、良かったです」
苦痛に顔をゆがめたまま、シエスタは笑う。
「全然良くないです!」
「な、なぜ……!? まだ、治ってないのですか?」
「だから、そう言う問題じゃなくて……あぅっ!!」
すると、シエスタは痛いはずなのに、腰を遮二無二上下に揺する。
「なら、もっと……もっと、すり込まなくては……っ!!」
「ち、違うっ!! ……ううっ」
ヒューイの必死の訴えも届かない。
シエスタは、杯から……聖水を患部にこぼしていく。
聖水は、二人の摩擦部に入り込み、シエスタの傷口を容赦なく灼く。
しかし、ヒューイにとっては……
シエスタの痛みから繰る強い締め付けを潤滑し、
さらに、与えられる刺激も、ヒューイの疲れを癒し、感覚を覚醒させる、
快楽の促進剤にしかならなかった。
「だめだ……ううっ、出ちゃうっ……
 止めて、シスター……あなたが、穢されちゃいますっ!!」
それでも、シエスタの必死のその抽送はヒューイを追い詰め……
どくんっ!!
「……!! ああっ……熱い、身体が……灼かれそうですっ!!」
シエスタの膣を、精液がどくどく流れ、満たしていく。
「まだ、毒素が……こんなにあったなんて……」
「シスター! 毒素を、身体に入れて……いいんですかっ?」
仕方なく、話を合わせてそう問い詰める。
「……私は、神の洗礼を受けた者です。悪魔の毒素は、私には通じません」
しかし、残念ながら、彼女の言葉とは裏腹に、
その精液は、彼女の身体と思考と……
そして理性を灼きつつあった。

「あなたの毒素は、まだ尽きていない……そうですね?」
シエスタは、まだ腰を離さない。
その目は、凜として、まだ光を失わず。
「でも、もう……出ませんよ? きっと……」
「でも、あなたの患部は……まだ腫れたままです。
 やはり……腫れたままでは、悪魔に魅入られたままなのです……」
ヒューイの股間は何度射精をしようが、力を失うことはない。
少なくとも、女の子が音を上げない限り、萎れたことはなかった。
しかし……
「あなたの中の悪魔を、神のご意志の元、
 すべてはき出させるまでは……終わりません」
ヒューイは戦慄した。
これだけ、射精させても、疲労の色も見せず……
頑なな意志を見せる彼女の表情に。
自分が萎えるのが先なのか。
シエスタが音を上げるのが先なのか。
これまでの経緯で言えば、結果は見えている物の……
それでも、今の、神の加護のある彼女は……ヒューイに簡単に屈するとは思えなかった。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
あれから、どれくらい経ったのだろう……
礼拝堂にこだまするのは、シエスタの吐息と、
精を吐くときに漏れるヒューイのうめき声。
もう、ヒューイは幾度となく精を吐き、それはシエスタの子宮をも膨らませていた。
しかし、シエスタは耐えていた。
……そう、耐えていた。
「ああ、神よ……これは試練なのですか、それとも祝福なのですか……っ!?」
もうさっきからずっとシエスタの膣壁は精液に灼かれ、
脳髄をとろかせるほどの快楽を発生させていた。
しかし、シエスタは悟っていた。
その快楽に屈することは……悪魔に対する敗北、と。
だから、彼女は決して屈しない。
どんなに快楽を感じても。
どんなに悦楽に責め苛まされても。
礼拝堂で、
シスタードレスをまとい、ロザリオを胸に抱く限り、
彼女の意志は折れることはない。
しかし、その意志の強さは、明らかに彼女に拷問を超えた快楽の責め苦を与えていた。
クリトリスはもう腫れ上がったように膨らみ、
自身が上下する度に、ヒューイの陰毛にくすぐられ、もどかしい愉悦を感じていた。
それに、乳首だって……
汗を吸い、少しごわ付きを感じさせるドレスの布にこすられ、
「ああっ、私の身体は……何て罪なのでしょう……っ」
それは、今までの苦行の、あるいは誘惑の、あらゆるすべてより強力で、
明らかに神の試練を感じさせた。
十字架の前で、快楽に自分を解放する。
それは、自分のシスターとしての人生を全否定することと同じ。
でも。
「あうっ……ぐっ……」
また、ヒューイが精を吐き、子宮が悲鳴を上げる。
子宮の収縮が、精液を膣へ逆流させ、
膣壁を刺激しながら……
ぼた、ぼた……ぐちゃっ、ねちゃっ……
ペニスに掻き出され、礼拝堂の床を汚す。
充満する獣臭。
本当に、これで正しかったのだろうか?
彼は、これで悪魔から解放されるのだろうか?
そもそも、この悪魔の膿は、無尽蔵なのではないか――――
そんな悪夢に似た思考が湧き、彼女の信仰心を削っていく。
「神よ、私は……私は、見捨てられていないのでしょうか……?」
天を仰ぐと、ステンドグラスに、女神の姿が浮かぶ。
神が、その神々しい姿を祝福し、
それはきらびやかな天上界を想わせて……
地上にいる、汚れにまみれた自分に、
その光は……届かない……

「シスター、本当に、もう……」
彼女は本当に良く耐えていた。
だけど、目に見えて消耗している。
それは、見ていて痛いほど分かった。
だから、もう……やめさせたい。
そう思って、シエスタに手を伸ばすと。
「さわらないでっ!!」
そう、絶叫する。
最後までするため……などという、高尚な志などではない。
もう、限界なのだ。
触られるだけで、
肌に触れられるだけで、もう、限界を超えて、快楽に絶頂しそうなのだ。
もう、今の彼女の感受性は、彼女の痛々しくふくれた子宮に似て、
針でつつけば……いや、爪が撫でただけで破裂しそうな状態だったのだ。
「(ああっ……夜の冷たい空気でさえ……)」
彼女の周りを取り巻くすべてが快楽になっていた。
でも、腰だけは止められない。
悪魔の膿を吸い出すためのそれは必要であったし、
それに、止まった暁には……足を止めたマラソンランナーのように、二度と動けない。
「(ううっ、神よ、あまりに……酷すぎます……)」
勝ち目のない戦い。
でも、敗北は許されない。
負けないとしても、決して勝てない……
これほど酷な戦いがあるだろうか?
いっそ、負けてしまいたい――――
でも、その選択だけは決して彼女には選べなかった。
それは、彼女がここにいる、存在理由を失わせてしまうから。
信仰だけが……彼女がここにある理由であり、
この戦いの理由も、それに違いないのだから。

しかし、その彼女の信仰心をしても、揺るがないほどの存在なのだろうか?
彼の、屹立するそれは。
これだけ、白い粘液をはき出し、まだ足りないというのだろうか?
これだけ、信心深いシスターを穢し、辱め、
それでも神に対してまだ抗(あらが)い足りないとでも言うのか。
ぐちゃっ、ぐちゃっ……
シスターはすでに獣の音を発するだけになり、
それでも、彼女の内蔵をえぐる肉棒は、その容積を増していた。
「はぁ、はぁ……神よ、私は……もう……」
全身から、絞り尽くしたと思われる汗が、
その最後の一滴が、彼女の細い顎から落ち……
それはロザリオを叩き、
その時に奇跡が起きた。

ぷちん……
「……!?」
金属のネックレスで繋がれたそれは、何故かちぎれ、ヒューイの身体に落ちる。
そして、弾んだそれは……
無情にも、シエスタのクリトリスを、そっと叩いた。
「……@@@@@@@@@@@@@っ!!」
激しい衝撃。
その無慈悲な一撃は、あえなく彼女を快楽の淵の……
その深淵へとたたき落とした。

「あう゛、あ゛あ゛あ゛あ゛……あ゛びっ゛っ゛っ゛っ゛!!」
もう、それは……獣だった。
獣のように、ヒューイの上で、しなやかな身体が跳ね、
ヒューイの精を絞り尽くしていく。
「あぐ、あう゛、あひいいっ!! あ゛あ゛あ゛……」
膣は痙攣したまま、一分も待たせずに射精を強要する。
ふくれて悲鳴を上げる子宮に、自ら腰を打ち付け、ペニスからまだ精液を奪い取り、
その肉棒で子宮を攪拌するかのように激しくかき回す。
「……っ@@っ……ら、らめ……れす、シスラァ……あああっ!!」
ヒューイもたまらず、のけぞり、身体をじたばたともがかせる。
しかし、シエスタはそんな彼を解放しない。
そんな、獣も震え上がるまぐわいを続ける男女二人を……
天井の神々は……冷ややかに見下ろしていた。

ぐちゃ、くちゅっ……ぷちゅっ……
「んっ……礼拝堂から、水漏れの音がしますね……」
明け方前、少し早くに冷え込みのせいで目を覚ました神父が、トイレに立つと……
礼拝堂からする物音に気づいた。
「夜露でしょうか? それとも……雨漏り? 降ったんでしょうかね……?」
礼拝堂の扉を開くと。
「ひっ……ひいいっ……」
神々しく光を落とすステンドグラスの下。
象徴である十字架の下で。
そこには……裸の少年と、シスターの姿をした女性。
その、もうくずおれた女性は、
その、腰元だけが悩ましくうごめき……
その繋がった場所から、
ぷちゅっ、ぐちゃっ……ねちゃ……
白い粘液を零しながら、
それでも、動きを止めることはなかった。

「ふ、不審者……!?」
そこにいるのは、その少年は、シスターを、シエスタを穢す不審者のはずだった。
しかし、神父はそこを動くことが出来ずに……
「シスター、もう、おなかが……このままじゃ……」
シエスタの腹は、すでに限界まで膨らんでいた。
「じゃあ、かきらしてぇ……あらたの、おひんちん、れぇ……」
シエスタは腰をずらし、ヒューイのペニスを膣から解き放った。
こぷ、こぷ……
子宮に押されて、膣口から精液が溢れ出す。
「こんなになって……」
ヒューイが恥骨を押すと、更に精液が止めどなく溢れていく。
そんなシエスタの手を取り、立たせると、十字架の台座に手を突かせる。
「何を……?」
神父に見えるように開かれた、シエスタの尻。
それは、尻穴までさらけ出されていた。
「足を開いて。楽にして」
ヒューイは、シエスタの胸に触れながら……下腹部を優しくなでさする。
「はぁ、こぼれてくぅ……熱いお汁がぁ……」
まだまだ溢れて、太ももにどろっとこぼれていく。
神父は、そこまで見せられて……動けずにいた。
彼のペニスも完全に怒張し、少しでも動こう物なら……
それこそスペルマを吹き出しそうだったから。
「ねぇ、これで……掻き出してぇ、私のおまんこから……」
いつの間にか、シエスタは手を突いたまま、
目の前に勃起しているヒューイのペニスに舌を伸ばす。
十字架に手を置きながら……
あろう事か、男性器に夢中でしゃぶりつく。
「ああ……こんなに……まだ、膿が……」
ちゅばっ、じゅるっ……と、シエスタが顔を埋めるたび、卑猥な音がして、
「あの子が……こんな……信じられない……」
神父にとっては、目の前の出来事は……ステンドグラスの女神が実在化する以上に信じられない光景だった。
敬虔で、あらゆる男性の欲情を戒めるまでもなく昇華してしまう、清楚な彼女が……
「あふっ、ちゅむっ……おいひいっ……」
だらしない表情で、男の股間に顔を埋め、
だらしなく舌を出し、見知らぬ男の汚らしい白い液を、さぞおいしそうに舐め啜るなど。
「ああ……神よ……こんな、こんな無慈悲な……仕打ちが、
 この世には……あるというのですかっ……!?」

「お願い、入れて。もう……我慢できない……」
シエスタは、甘い声で……その行為の続きをねだる。
ヒューイは、彼女の腰を掴み、まだ精液を零すそこに、ペニスをあてがい……
ずちゅっ……!!
「ひゃあああっ!!」
ペニスを押し込まれ、精液が溢れて隙間からこぼれる。
ヒューイが前後すると、カリに掻き出され、精液をこぽこぽ零しながら。
さらに、ヒューイは精液を絞り出すように、恥骨を撫でる。
「ああつ、だめ、そんなに……ひあっ、しないで……」
腰を支えられ、シエスタは力なく脚をふるわせる。
十字架に手を突いて。
神父に尻を見られたまま……
「はぁあああっ……あああああっ、気持ちいいいですぅうううっ!!」
ステンドグラスの天井を仰ぎ、彼女は、文字通り……昇天した。

(続く)
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